二重人格な後輩




そう、思いながらも何回もキスを繰り返す。



少ししてから、唇を離す。




「さっきのキスのお礼のキス」



「もうっ」



口調は怒ってる桃だけど、声が全く怒っていない。




「桃」


名前を呼んで、桃の耳元に口を寄せる。



その時にふわっと、桃の香りが鼻に届く。





「―――――っ」



「っ……ありがと」


桃の泣きそうな声。




「いい夢みろよ。じゃあな」



それだけ言って、手を振って帰る。


桃は、少しだけ泣いていた。




大袈裟すぎだっつーの。




―――『俺が絶対に守るから』






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