二重人格な後輩




「悪かったな……」



謝ると、全力で首をブンブンと横に振る。



「あたしがいたくてここにいるんだもん!涼太くんのせいじゃない!!」




桃がはっきりと言ってくれて嬉しくなる。



やっぱり桃は優しい。




「でもね、これからは無理しないで。なにかあったらあたしに言って?健人はあたしがなんとかしなきゃいけないから……」



桃のまっすぐした強い瞳が向けられる。


こんな凛々しい桃は初めて見たかもしれない。




「自分だけで解決しようとすんな」


「いたっ」



桃の頭を少し小突く。



「でも、サンキュッ!」


「うんっ」




俺には桃がいればそれでいい。






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