二重人格な後輩
授業の移動中にたまたま涼太くんの姿を見つけて、近づいてきたら告白の現場に出くわしちゃったってわけ。
こんな場面見たくないんだけど、あたしの体はそこから動けずにいた。
「ま、待って!!」
涼太くんが立ち去ろうとしたところを、女の子が止める。
涼太くんは、少しだけイヤそうな顔をしてから振り返る。
「どうしたの?」
今は、表。
かわいくて人懐っこい涼太くん。
なんか、懐かしい。
あたしも初めは騙されてたから。
なんて呑気なことを考えていたんだけど、一瞬でそんなの忘れてしまう。
「っ!!」
女の子の行動に息をのむ。