生徒会長と甘い会議
申し訳なく思いながら、会長を見る。
やっぱり傘買った方が会長も濡れなかったのに……。
「……ありがとな」
会長はお礼を言って、タオルを受け取った。
そして、そのタオルを肩にかけて、軽く手を上げてから元来た道を戻って行った。
わざわざ遠回りさせちゃって、本当に申し訳ないなぁ。
会長の背中を見て思う。
そして、未だに熱い頬を片手で押さえる。
まだ心臓も微かにドキドキと鳴っている。
この心臓の音は普通のとは違う何か特別な感じ。
会長……。
「このドキドキは何ですか?」
小さくなった会長の背中を見つめる。
あたしの声は雨の音で掻き消された。