ヴァージニティー
焼きあがったハンバーグを皿に盛りつけていると、スウェット姿の夕子が戻ってきた。

「えーっ、にんじんも乗せるのー?」

皿を見たとたん、夕子が嫌そうな顔をした。

夕子はにんじんが嫌いなのだ。

「にんじんも食べなきゃダメだぞ、夕子」

そう言った朝人に、
「あっちゃん言い方がオヤジ臭いー」

夕子はダダをこねるように言い返した。

オヤジ臭いと言っても、自分はまだ23だ。

「にんじんだって躰にいいんだから。

さ、食べよっか」

夕子と一緒に椅子に座った。

「いただきまーす」

夕子と一緒に手をあわせると、食事を始めた。
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