ヴァージニティー
自分から朝人と唇を重ねたのだから、彼に驚かれたのも当然だ。

夕子は、重ねていた唇を離した。

「――抱いて…」

夕子は言った。

「えっ?」

驚いて聞き返した朝人に、
「――抱いてよ、あっちゃん…」

夕子が泣きながら言った。

樋口で汚された躰を、朝人で清めて欲しい。

朝人のぬくもりで、全てを埋めつくして欲しい。

「――朝人…」

自分の名前を呼ぶ夕子の唇を、朝人は自分から唇を重ねた。

「――んっ…」

唇を重ねているこの場所が玄関だと言うことは、もう忘れよう。
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