ヴァージニティー
「明日の朝、京都のおばあちゃんン家に行こう」

「あっちゃん、どう言う…」

質問をしようとした夕子の言葉を、
「詳しいことはついたら教える。

だから夕子、安心して?

絶対に夕子のこと、離さないから」

朝人に見つめられながら、さえぎられた。

彼の漆黒の瞳が、ボロボロになった自分の心を癒してくれた。

朝人を信じてもいいんだと、思う。

朝人に全てを任せていいと、同時に思う。

「――うん…」

夕子は首を縦に振って、うなずいた。

「夕子」

朝人が自分の名前を呼んだと思ったら、顔が近づいてきた。

「愛してる」

朝人の唇が、自分の唇と重なった。
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