想い綴り









「あ~…悪ぃ、残業っぽい」










12月に入ってからこっち

お互い忙しくて久々の夕食デート





浮かれながらクリスマスの計画を話すあたしの口を塞いだのは

付き合いはじめて3年目の愛しいダーリン


風見 シグレ

ガソリンスタンド勤務の24才






来店するお客様にはスペシャルに愛想を振りまくくせに

普段は、これでもかってくらい無愛想。





今だって
信じられない言葉を投下しておいて

涼しい顔して3階からの夜景を堪能してる。





ってか










「って、あの~今なんて?」


「いや、だから24日はムリ。ホテルの予約、25日にしといたから」







空いてて楽だわなんて、

呆然としてるあたしを気にもとめずににこやかに笑顔を見せる。










「ちょ、ちょっと待って!!何?25日って」


「ん?クリスマスだろ?」


「いや、あのさっ、クリスマスなんだけど……イブは?」






ケーキは?
デートは?

イルミネーションは?








ちょっと、身を乗り出して詰め寄るあたし


そんなちょ~っと必死なあたしに返ってくる一言









「だからムリだって」









そうわかってても
やっぱり









「なあんで~っ!?」







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