呪われ暗殺ガール

* * * * *

「――どうだった?」
「白に限りなく近い黒ですね」
「………そうか…」

蝋燭の灯り一つしかない薄闇の中発せられた主の問いに率直な感想を述べる。
ゆらりと揺らめく灯りの反対側で主の顔が少し歪んだ。
「…彼女には悪いことをした。あんな約束させなければ――」
「リヒト様」
次期国王にあるまじき発言をする主をピシャリと窘める。
「だがグレン、お前もあの場に居ただろう。彼女は」
「彼女の意志に関係なく事件は起きてしまったんです。起きてしまった以上、早急に真実を突き止める必要がある。…例え彼女が北と南を繋ぐ鍵の娘だったとしても、状況如何では消えてもらうしかありません」
「………」
僕の言葉に押し黙る主。
しかし納得していないのかお前はそれで良いのか、と言う視線を向けられる。
―――どこの国に仕事に私情を挟む様な侍従長が居るというのだ。
僕はそんな主の視線をさも興味がないと言った風に流した。


原因も元凶も心当たりはある。
ただ決定的となる証拠がまだ足りない。

誰もいない庭を見下ろしながら、己の利き手を少しだけきつく握りしめた。
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