いつか見る青
Memories2
るりちゃんはおっとりして見えるけど、実はけっこうおてんばさんなんだ。


とおる君達とお庭で羽根つきをして遊んでいたら、とおる君が力まかせに羽子板を振り回したもんだから、お庭の木に、羽根が引っ掛かっちゃって。


そしたらるりちゃんが、裸足になっていきなり木のぼりを始めた。


ぼくたちは慌てて止めたけど「これくらい平気平気」って言いながら、るりちゃんはスイスイ登って行っちゃった。


「まぁ~!瑠璃ちゃん危ないわよ!」


地面から3メートルくらいある、羽根がひっかかってた枝までたどり着いたところで、民さんが、テラスからおどろいた声をあげた。


そろそろお夕飯の準備をする時間だから、るりちゃんのことさがしていたみたい。


「大丈夫ですよ~。木のぼりは小さい時から得意なんです~」


るりちゃんは笑いながらそう言うと羽根を手に取って、ぼくたちの方に目を向けた。


「落としますよ~。しゅん君、受け取ってね」


ヒラヒラと、おどりながら落ちてくるその羽根。


無事、手のひらの上に着地した。


羽根は戻って来たけど、でも、ぼくはとてもハラハラしていた。
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