××倶楽部

 社長のハッハッという短く繰り返される呼吸に、自分が身勝手すぎること言ってしまったと気がつかされて、余計に泣けてくる。


 社長は具合が悪いのに……今はそんなこと考えてる場合じゃないのに。



「……ちゃんと考えてますよ…………ファーストキス奪った責任」


 はぁ、と長く熱いため息。顔をそっと上げると涙を拭ってくれる優しい指。



「泣かないでください。次のマーベラスの定休日に僕とデート……してくれませんか?」


 熱のせいでかすれた声がいつも以上にセクシーすぎて、私も社長に負けないくらい熱くなる。


「デートですか……二人きりで?」


 社長は、ふっと吹き出すとそのまま、ゴホゴホと咽せてしまった。


「……げほ、すみません。おかしなこと言わないでくださいよ。僕は二人がいいんですけど?」


「はい、私も二人がいいです……」


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