××倶楽部

「典くんっ! はっきりさせてよ!」


 蛇に睨まれた蛙だな。しかも七匹もいやがる。喰われたら骨までなくなりそう。



「よし、じゃ、全員解散しろ!」



 悲鳴みたいな雄叫びが響き渡って、前の家のばばあが窓を開けてこっちを睨みつけてきた。


 解散って何よーっ! と、眉を釣り上げる。

 女って、こぇっ!


「うっせぇー、解散って言ったら解散なんだよ! 俺は、誰とも付き合わねーんだよっ!! 全員帰れっ!」


「いやぁ典くんんっ!!」

「俺のほうが嫌だっての! 帰れ!」

「この日を楽しみにしてたのにー!」


 そんなの全然、俺関係ねーし!

 玄関のドアをガツンとしめるけど、ギャアギャアと騒ぐ声はやまない。



「典、あんた近所迷惑だから、どうにかしなさいよ」

「どうにかって、勝手に集ってんだよアイツら」

 母親にまで冷たく睨まれる。


「そんなことしてると、芽依ちゃんに嫌われちゃうわよー。最近、ますます可愛くなってきちゃったし、あんたなんて相手にされないだろうけどー」

「それでも、母親かよ!」


 ったく、つめてぇーな。





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