××倶楽部

 社長は、はい、そうですね……と頷きながらキーボードをカチカチと叩いてから顔をあげた。


「ちょっとこっちに来てくれませんか? 今、うちのホームページリニューアルしていてレイラさんの写真とかをアップしているんです」


 社長の肩越しに画面を覗き込むと、ザ美脚! といった感じに足を組んで性格が悪そうな顔で微笑むレイラ様の写真が目に入る。


「うわ、芸能人みたい……」


「プロのカメラマンに撮影お願いしてますからね。綺麗でしょ? レイアウトはこんな感じでいいと思いますか?」


「はい。 私、こういうの素人ですけど雰囲気出てていいと思います」


 黒一色にゴールドのシャンデリアが装飾されたページをもう一度みた。


 ふっ、とすぐ近くで社長の笑い声が聞こえて、画面から視線を反らすと、私は背後から社長の顔のすぐ横に自分の顔を寄せていたことに気がつく。



「ご、ごめんなさい!!!」



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