暗い目の理由


「何ニヤけてんの?」


日向くんが私の頭をグリグリ撫でる
チラッと日向くんの顔を覗き込む

…やっぱり、イケメンだなぁ。
綺麗な顔してる…


私の視線に気付いたのか私の顔を見てニコッと笑う
キュンと胸が締め付けられる
この笑顔に私はどうやら弱いらしい


こうやって笑い合っている時はとても幸せを感じる
お兄ちゃんの事も少しは忘れられた。


「私、日向くんのこと好きだよ」


嘘では無い。
けど、本当でもないと思う。


日向くんは少し困った顔で私に微笑み掛ける。

『俺も』
とは言ってくれないの。
日向くんは、きっと他に好きな人がいるんだと思う。
だって、私といる時は
少しだけ悲しそうな顔をするんだもん。

日向くんは不器用だから嘘吐いてもすぐわかってしまうのに
日向くんはバレて無いと思ってるんだ


バレバレだよ日向くん。
私のこと、好きじゃないんでしょ?

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