桜の生け贄
その日の帰り、図書館で何か桜のことを調べようと思い、先生に聞いた。

何処に図書館があるのか。

先生は快く教えてくれた。

教えてもらったら、お礼を言って自分の席についた。


「先生に何聞いてたの？」

あずさが遠い自分の席からはるばるやってきた。

「ん～図書館って何処にあるんですか～って。」
「何調べるの？」
予想がはずれ、ふつうの声だった。

「いや～あっちで読んでた本あるかな～って思って。結構好きだったんだよね～！」

嘘をついた。

でも桜なんていったらまた冷たい態度をとるって分かってたから。

「うそでしょ？」
「え…」

なぜ…分かった…？

「悠輝くん…ばればれだよ？本当は桜について調べたかったんでしょ？」
「ちっ…ちがう…」
「ふふ…だからばればれだって言ったんだよ…」

「今日行くんだよね？帰りに寄っていってあげる。」
「い…いい…よ…」
「放課後デートだよ♪誘ってるんだから断る理由ないでしょ？」

そういってあずさは自分の席に戻った。



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