桜の生け贄
ガラッ

この人が…俺のばあちゃん…

「ああ悠輝くん?大きくなったねえ。赤ちゃんのとき以来だものねえ。」

すんごい年老いてた。

でも優しそうなばあちゃんでほっとした。


「これからお世話になります!!」
俺はふかぶかと頭を下げた。

何も言うことがなくて暇してたあずさが…

「……じゃあ私はこれで…」
「ああ待って。これお礼。もらって…?」
「…アリガトウゴザイマス…」


なんだか眉を細めていやそうに見えた。


あずさはペコリと頭を下げて学校へ向かって走った。


あずさが走ってしばらくしたら、ばあちゃんに俺もお礼を言ってくるといって、あずさを追いかけた。


「あずさ!!」

あずさは何も言わずに振り向いた。

「悠輝くんって速いんだね。私学校で一番速いのに…」

「俺一応男だよ…」

といいながらものすごい息切れしてる。


「ははっ!!面白いんだね。待ってるから、私」

生まれて初めて胸キュンした瞬間だった。

男なのに…気持ち悪いな…

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