甘い唐辛子
「…」
「「「……」」」
「…」


沈黙。
居づらい…。


「海堂組…」

ポツリと呟いた女の言葉に、俺以外の2人が過剰な反応を見せた。
もちろん、俺も十分に驚いている。
俺はまだ自己紹介をしてないし、誰にも紹介されてない。

なのに、この女が俺を見て海堂組と言うのは、明らかにおかしい。
この女が、元々俺のことを知っていたことになる。


「お前…」
「何、何処からの情報?」
「おい、やめろ。睨むな。」

俺は2人が女を睨んでいるのを止めた。
それでも、いつの間にか自分も女を睨んでしまっていたようだ。

女は無表情で、座っている俺達を見下ろした。


「…藤成。」

「「「?」」」

「それを聞いて、何もわからないなら、君達に用は無い。」

そう言い、女は自分の蝶ネクタイを取り、テーブルに置き、シャツの第1ボタンを外して開いた。


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