財閥vs暴力団~争いに巻き込まれて~
「なんなの?これ。体が勝手に…。」


美利亜は困惑した。


しかし、体が止まることはなかった。


次々と剣道部員たちを切りつけた。


「いやぁ!止まってぇ!」


美利亜の叫び声も虚しく、剣道部員全員が倒れた。


そしてガシャン。


美利亜の手からカッターが落ちた。


同時に玲が現れた。


「遅かったか。」


玲はついてきた部下に指示を出すと美利亜のそばに来た。


「美利亜、ごめんな。気付いてやれなくて。」


「ううん、いいの。もう、済んだことだから。」


「それ、どういう意味だよ。」


玲は問い詰めたが、美利亜は微笑んでいるだけだった。


     ****


「それから美利亜は人目を避けるようになった。前髪も伸ばして人と目が合わないようにしてきた。」
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