〜夢叶〜
高三の入学式、桜が散る中で私達は顔を見合わせた。
「またウチラ、クラス一緒じゃん!」
「三年間一緒じゃんね、腐れ縁だよ、えみとは」

えみは小さい頃からの親友で小中高、同じ学校。
昔から人一倍 目立っていて今の高校でも一目置かれる存在だ。
日サロで焼いた黒肌に茶髪の巻き髪、プンプン臭う香水に制服は断然ミニスカ、学校の中でギャルはえみだけ。

「ゆりとまたなれて良かったよぉ、真面目ばっかいるクラス嫌だもん、誰も話しかけてくんないし」
私は白肌でほんのり茶髪のストレート、美白に力を入れていて美容オタク。えみとは正反対で周りからは仲の良さに驚かれることが多い。
「えみがギャルだからだよ、ウチの学校にいないじゃん」
「あ!放課後さぁ買い物行こう」
「話聞いてないし」
「ん?なんかゆった?」
「ううん、別に。いいよ」「やった、じゃあ手帳買いたい」
「手帳?この前も買ってたよね?」
「無くしたの〜」
「またかよ」
クラスに入ると
えみは更に浮いていた
そこに、
「えみ!ゆり!」
窓際の席から高二から
仲良くなった、
まい、としろう
が手を振っていた
「まいちゃん!としくん!」 「また同じクラスだな」「本当だね、また四人一緒かぁ」
「受験だしあんま遊べないけどね」
「えみは遊ぶよ」
「えみは例外〜」
まいは
頭がよく常にトップだが、授業中は大好きなアイドルのウチワ作りをしているかなりのオタク。
としろうは坊主頭で授業中はずっとi podでヒップホップを聞くような男
私達、四人は学年の中で異質な存在だった
私達の学校は都内有数の
進学校で皆、黒髪で
おかっぱ頭。
体育祭、文化祭は
盛り上げる事もなく
それよりも勉強。という
陰湿な中で
私達四人は自由に
過ごしていた
ギャルのえみ。
美容オタクの私。
アイドルオタクのまい。
Hip-hopを愛すとしろう。どこにでもいる普通な
私達だけど、この学校では受け入れられず
居場所がなくて自然に
はぶられている私達は
仲良くなった。
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