溺れる唇

「そうなの。それで・・・」

あゆみちゃんは、こんな感じで、
かわいらしい見た目と違い、
しっかりした、面倒見のいい女の子だ。

きっと、移動先でも、色々と
相談されたりしているのだろう。


私は本当に、後輩に恵まれる。


「そうなんですよ」

あゆみちゃんは満面の笑みで、
私の肩に手を置いた。

「ですから、お話聞かせて下さいね」

サーッと血の気の引く私の肩に、
あゆみちゃんの手という名の期待が
しっかりとのしかかった。

「その“裕馬”のことについて」



あゆみちゃんはやっぱり・・・
しっかりしている。



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