溺れる唇

「沢田はさ、それに付き合わされて、
仕方なく・・・本当に仕方なーく、
むしろ嫌々?俺とメシ食うんだから」



笠井さんは、時々、妙なことを言う。



「仕方なく、じゃないです」



笠井さんは、読み終わった書類を
左側へと置いて、否定する私に
チラリと視線をくれて、苦笑した。



「そういうことにしといてくれよ」



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