雨降り少女

そうか…この心地良さは……必要とされる喜び…なんだ………



次の日の朝、私はスタジオのドアの前に立ち尽くしていた。
もう一度あの笑顔が見たくて…でも必要なのか確信も持てずに………




どれくらい待っただろうか…ガチャリと音をたて、ドアの隙間から女性が顔を覗かせた。
女性は私に気付くと、一瞬驚いた顔をして、彼を呼んだ。
「彼女が来てるわよ～」

その声に顔を覗かせた彼は、私を見て驚いた顔をしてまたあの笑顔を見せた。

「また、写真録らせて貰っていいかな？」

彼の声に私は、解るか解らないか位に微かに頷いた。

彼の笑顔が輝いた。

それが始まり………６月の魔法の終わりへの始まり………