幸せ家族計画
「葉山さん」
「ん?」
「私、すごーく幸せですよ」
「うん。そんな感じだね」
目を合わせて笑う。
あまり人には伝えてない達雄との関係を、こうしておおっぴらに惚気られるのなんてめったにないから、何だかとっても嬉しかった。
「前はコイツバカかなって思ってたけどね。今は達雄が羨ましいよ」
「どうしてですか?」
「んー」
カップのコーヒーを飲みほして、葉山さんは窓の外を見る。
「好きな女の過去も現在も未来も手にできる男なんて、そうそう居ないからなぁ。
なんだかんだ言って、男って独占欲が強いんだよ。
その点で羨ましい。
俺は、どうしても手に入れられない部分があるからね」
そのまま外を見ていた瞳が、空を見上げる。
眩しそうに細めた目が少しだけ寂しそう、なんて、私の気にしすぎかしら。
私の視線を感じたのか、こちらに向き直った葉山さんとばっちり目があってしまった。
なんとなく気まずくて、手に汗が浮かんでくる。