幸せ家族計画

 そして俺とサユは一緒に下校する。


「えへへ。お父さんと一緒に帰れるの嬉しい」

「そうだな。今日は俺達で夕飯作ろうか。紗彩が帰ってくる前に」

「うん!」


家に着き、カギを開けようとするとき、すでにカギが開いていることに気付いた。


「あれ?」

「紗彩、帰ってるのか?」


開けると紗彩のパンプスが玄関に転がっている。
体調が悪くて帰ってきたのかもしれない。


「紗彩? 大丈夫か?」

「あ、英治くん。紗優」


紗彩は涙目の状態でベッドに横になっていた。


「つわり、ひどかった?」

「うん。昼から吐き気がして、早退してきたの」

「今日当初の予定のまま、休みにしとけばよかったんだよ」

「そうね」


力なく笑う紗彩の背中をさする。
サユも心配そうに寄ってきた。

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