幸せ家族計画

 夜の9時。

お風呂をあがったわたしとママは、おじいちゃんとおばあちゃんにおやすみなさいを言って2階にあがる。


「さあ紗優、もう寝なさいね」


お布団の中で、ママはわたしに歌をうたってくれる。

いつも恥ずかしがって、あんまり歌をうたってくれないけど、お布団の中だけは別。

ママの小さな歌声をききながら、寝るのが好き。


ウトウトとしてたら、おせんこうのにおいがしてきた。

ママが、いつのまにか隣に居ない。
いつもみたいに、パパとお話してるんだ。


「今日ねぇ。サユが服にお醤油こぼしてね。お気に入りだったから大泣きで大変。漂白したけど、おちないかも」


ママったら、なんてこと言うの。
しかも笑いながら。

そんなに泣いてないもん。

それに、思い出しちゃうじゃない。
カワイイピンクのスカートについた、茶色のシミ。
いやだなぁ。
かなしくなっちゃう。

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