幸せ家族計画


「お世話になりました」

「赤ちゃんだって頑張って出ようとしてるんだからね。あんたも頑張りなね」

「はい」


ニコニコと笑って、作田さんがお見送りしてくれる。


タクシーの運転手さんに行き先を告げ、ゆっくりと背もたれにもたれかかった。


「……お母さんみたい」


生きてたら、お母さんもそう言ってくれたのかな。

あの最後の状態のお母さんからは想像つかないけど、
それでも何か言葉をかけてくれただろうか。

ねぇ、お母さん。
聞きたかったよ。私が生まれる時の話。

お母さんも、こんな風に戸惑っていたのかな。
赤ちゃん産むって、こんなに痛くて、大変なことだったんだね……。


< 325 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop