幸せ家族計画

 桜舞い散る春が来る。

寒い季節は終わりをつげ、今は4月。

ただいま3ヶ月の愛息子、キズナは何故か今でも昼夜逆転生活だ。


「うわあああああん」

「うー、はいはい。ごめんね。キズナ」


けたたましい泣き声に目を覚ます。

おむつを交換して、おっぱいをあげ、げっぷを出させて再び寝かせる。
この一連の動作は慣れたといえば慣れたけれど、やっぱり夜中は疲れる。

3ヶ月なら寝る子は長く寝るはずなのに、キズナは今でも最低2回は夜中に起きる。
物音がうるさいのかなとか、おっぱいが足りてないのかなとか、不安をあげ出したらキリがない。


「アヤ、大丈夫か?」


リビングに布団を敷いて寝ていた達雄が起きてくる。


「達雄はいいの。寝てて。明日も仕事だもん」

「でも、綾乃も疲れるだろ?」

「私は平気。専業主婦だもん。これくらい平気……」

「いいから、飲み終えたら俺に貸して」


達雄はキズナを受け取ると、背中をポンポンと叩いてげっぷを出させる。


上手だなぁ。
私がやると、たまにげっぷと共に吐いちゃったりするのに。

何が違うっていうんだろう。

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