幸せ家族計画
「……ねーちゃん! ジュース無くなったー」
思考を遮る声がする。
サイちゃんの声だ。
慌てて声のする方へ行くと、キッチンで困ったように眉をひそめてる。
もうすぐ小学3年になるんだから、そのくらい自分でやればいいのに。
「ハイハイ、後で持って行くから部屋で待っててね」
「早くね、ねーちゃん!」
春休みなんてつまんない。
お父さんもお母さんも相変わらずの仕事人間で、春休みの私の仕事と言えば、弟のお世話係。
4月からは高校2年生。
花も恥じらう年頃だっていうのにこれってどうなの?
でもお父さんがバイト代って言っておこづかいをくれるから、まあいいか、と思ってしまうのだけど。
冷蔵庫からぶどうジュースを出して持って行く。
いつもは「ねーちゃん、ねーちゃん」って言って、ひっついてくる可愛いサイちゃんも、今日はお友達がきているからちょっと偉そうでムカつく。
部屋を開けると、ゲームの音が響き渡っている。
携帯ゲームなのに随分大きな音たててるなぁ。
「もう。ずっとゲームばっかりはダメ。休憩しなさい」
「はーい。ねーちゃん、母さんより怖いからなー」
「何ですって」
凄んでみると、あははと笑われる。