幸せ家族計画


「……ねーちゃん! ジュース無くなったー」


思考を遮る声がする。
サイちゃんの声だ。

慌てて声のする方へ行くと、キッチンで困ったように眉をひそめてる。
もうすぐ小学3年になるんだから、そのくらい自分でやればいいのに。


「ハイハイ、後で持って行くから部屋で待っててね」

「早くね、ねーちゃん!」


春休みなんてつまんない。

お父さんもお母さんも相変わらずの仕事人間で、春休みの私の仕事と言えば、弟のお世話係。

4月からは高校2年生。
花も恥じらう年頃だっていうのにこれってどうなの?

でもお父さんがバイト代って言っておこづかいをくれるから、まあいいか、と思ってしまうのだけど。


冷蔵庫からぶどうジュースを出して持って行く。

いつもは「ねーちゃん、ねーちゃん」って言って、ひっついてくる可愛いサイちゃんも、今日はお友達がきているからちょっと偉そうでムカつく。

部屋を開けると、ゲームの音が響き渡っている。
携帯ゲームなのに随分大きな音たててるなぁ。


「もう。ずっとゲームばっかりはダメ。休憩しなさい」

「はーい。ねーちゃん、母さんより怖いからなー」

「何ですって」


凄んでみると、あははと笑われる。
< 409 / 419 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop