魔天戦史

陽炎の魔神





「クソ………ッ!?」


京介と蓮は煙を噴き上げる飛行機から晶を助ける為に飛行機に向かって飛んだ。

だが、そこに攻撃が飛んで来て二人の行く手を阻んだ。



「悪いけど、あそこに行かせる訳には行かないなぁ………」



そう言いながら姿を現したのは、羽織を纏って、両手に刀を握った男だった。だが、男は尋常ではない霊力を放っていた。




「…こいつ………ただ者じゃないな……」


「…そのようですね…」


二人はそれぞれ武器を構えた。京介はグングニルを、蓮は天叢雲剣の真打を構えた。



「へぇ……グングニルに天叢雲剣……しかも真打とは……やれやれ、参ったなぁ……」


男はそう言いつつも、困ったと言うよりは、むしろ楽しんでいる様に二人には見えた。



「……一応、名前を聞かせて貰おうか…」



「うん?僕かい?」


「……他に誰がいる」




「……僕の名は、仙石竜童……元、国連統合軍…第四師団師団長さ…」



「な、に……!?」


「元、元帥……ッ!!」

二人はそれを聞いて一気に霊気を研ぎ澄ました。


「おやおや、そんなに構えることは無いよ。僕はただ足止めするだけ………」



仙石が話しているその時、飛行機の方から強力な霊気が吹き荒れた。


「うお……ッ!?」


「きゃ………ッ!?」



「おっとっと………これは凄いなぁ…何があったんだ……?」



「おい、蓮…今の霊気……」



「……勇翔さんの霊気に……似ていましたね……」



二人は嫌な予感がした。だが、目の前の男が通してはくれないと悟った。


「……勇翔…無事なんだろうな………」




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