【完】俺だけを愛して溺れろ。
「俺は、明日、凜と、デートが、」
『丁重にお断りさせていただきます』
「最後まで聞けよ」
誰が聞くか。
あぁ、苛立ちが募りすぎて激しい頭痛が――…
「明日、俺に付き合ってくれるなら、今すぐ凜を助けてあげるよ?」
『……』
柔和な笑みを浮かべる中島を眼光鋭くして睨む。
けど、すぐに困ったように眉の両端を下げ、口角に力を入れる。
『ねぇ、中島』
「ん?」
『あたしは、大丈夫だから』
「……」