【完】俺だけを愛して溺れろ。
不覚にも、その中島の横顔が綺麗だと思ってしまい、ドキッとしてしまった。
そんな顔されたら、何も言えないじゃんか。
中島はある一個のマグカップを手に取ると、突然あたしの方に顔を向けてくるものだから、慌てて視線をマグカップに向ける。
「なぁ、凜」
『何?』
あたしは目を合わせずに、努めていつも通りに返事をする。
「これ、可愛いと思わない?俺たちにそっくり」
『どれが?』
そう言って、中島の方に顔を向けたと同時だった。