【完】俺だけを愛して溺れろ。
今に始まったことじゃない。
ただ、惨めに思いたくないだけ。
少し、幸せな夢を見たいだけ。
あたしは……。
「ん?あった、あった。ほら、凜選べ」
『(あたしは、)』
「……凜?」
『(味方がいないと思いたくないだけ――…)』
「凜っ!」
荒げた声であたしの名を呼ぶ中島に、体をびつかせる。
そこで、ハッと我に返ったあたしは、中島が切羽詰まった表情であたしを直視していることに気付いた。