【完】俺だけを愛して溺れろ。
『――っ!?』
ぐらり、と体が傾く。
リビングに入った瞬間に腕を引かれて、中に引きずり込まれた。
一瞬のことで状況を把握出来なかったあたしは呼吸も忘れ、体が強張る。
何事と思った時には背中に手が回され、床に押し倒されていた。
『っ、』
「……」
背筋が凍るような表情で見下ろす蒼空。
蒼空の瞳は怒りに満ちていて、冷たい。
その威圧感に、その恐怖に震え上がった。
あたしはいつもと違う蒼空の様子に動揺する。