【完】俺だけを愛して溺れろ。
「てか、凜を悪女に仕立てないでくれない?」
蒼空のこの言葉に、初めて見る無表情に、困惑と驚愕で目を見張った。
『(あたしをかばった……?)』
しかも、今下の名前で……。
あたしは高鳴る鼓動を感じながら、蒼空を見据える。
「まだ、俺に用でもあるの?」
「……」
「ないなら、さっさと失せて――…」
「いつも一緒にいた女を突き放したのは、蒼空君じゃないの?どういうことよ!」
一人の女性が蒼空を睨みながら詰問する。