【完】俺だけを愛して溺れろ。
ニヤリと笑った蒼空は、次の瞬間にはあたしの唇を奪っていた。
そして、ちゅっと軽いキスをしてあっさり離れた蒼空は、やっぱりにんまりと笑っていて……。
呆然としていたあたしは、食堂に響き渡る黄色い声ではっと我に返った。
周囲の人たちに見られてしまったこの恥ずかしさに、あたしは縮こまるばかりで……。
「たまにはいいね。こういうのも」
『あたし、バカップルにはなりたくない。こんな目立つようなこと、したくない』
「もう一回する?」
蒼空の聞き捨てならぬ発言に血の気が引いた。