一緒に暮らそう
 中身を切らした作り置きのタッパーを補充するために、紗恵が張り切って惣菜を作り始めた。
 菜の花の油揚げのお浸し、春キャベツとキュウリの浅漬け、新じゃがの肉じゃがを作った。タケノコご飯もたくさん炊いて、一膳ずつラップに包んで冷凍庫に保存した。こうしておくと、いつでも好きな時にお茶碗一杯分のご飯をレンジでチンして食べられる。

 夕飯は二人でタケノコご飯と焼いた鰆を食べた。

 気がついたら、いつの間にか紗恵はリビングのソファでうたた寝をしていた。
ウィークデーの仕事の疲れや満腹感や、何やかんやのせいで眠気に襲われたみたいだ。


 その夜は新多のマンションに泊まった。

 翌朝、早朝の電車で山の町に戻らなければいけないのが大変だけど、その方が良かった。
 二人ともそうしたい気分だった。
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