【完】君と流れ星を。
空気を入れ換えようと、思いきって大きく開けた窓から雨粒が舞い込む。


あ、今日も雨だった。


雨が吹き込むことはわかっていたけど、彼女の香りを早く消す方が優先だ。


あの日……良く晴れた春の日、同じ桜の木の下で俺は彼女を見つけた。


それまでずっと閉じ込めていた感情が、

止まっていた時間が、


動き出す音が聞こえた気がした。
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