【完】君と流れ星を。
少し先に見慣れた後姿を見つけて、私は浮かれて少し早足で追い越す。


「いっきせんせ」


回り込んで話しかけた私の顔を見て、先生は少し驚いた顔をした。


「ああ、久しぶりだな」


この感覚をどう伝えたらいいのか、言葉がうまく探せないけど、


この間まであった『つながり』のようなものが感じられなかった。

まだ心もとないものだったけど。


確かにあったのに。



「じゃあな」と手を振る先生の後姿を、私は見送るしかなかった。


私の頭には「りさ」と切なげにつぶやく、先生の声が何度も響いていた。
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