【完】君と流れ星を。
ため息をひとつついて、私はあらためてこの部屋を見渡した。





ここはいつもコーヒーとタバコの匂いがする。



散らかった本、

埃っぽい空気、

少ししか開いていない遮光カーテン、


前より少し減ったタバコの吸殻、

私が片付けた棚には、2つのマグカップが寄り添っている。




ソファに寝転んだまま、私の手を引っ張る大好きな手。

優しく笑う表情を、カーテンのすき間から昼過ぎの柔らかな日差しが包む。




高校1年生、私は忘れられない恋をした。




これからもずっと、忘れない。






END
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