【完】君と流れ星を。
伊集院先輩の腕時計のデジタル表示が濃紺の世界に浮かんで、時間はもう10時を過ぎていた。

撤収を始めたみんなの背中を追いかけて私も校舎の中に戻る。


踊り場の明かりがまぶしくて私は目を細める。
月明かりと違って優しさのない光だ。


化学室へ戻り、それぞれの荷物を持って教室を出たところで、「はい、ご苦労さん」と先生がみんなに手を振った。


帰ろうとするみんなに向かって私は思いきって呼びかける。

振り返ったみんなと見送る先生に私は言った。


「今日はありがとうございました!それから……これからもよろしくお願いします!!」


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