社長!好きです!
「私は、女が好きよ。」

えっ・・

「な・・・何よ、急に?」

急にそんなこと言うからドキッってした。


『女が好き』って言ったのに『和が好き』って言われたみたいに・・・



「急にって・・・和、今言ったじゃない?」


「な・・何を?」


「『加崎ってノーマルなの?』って」


は・・あはは・・・


「あはは・・言ってた?」


笑ってごまかす・・しかない?



「笑ってごまかさなでよ!

いい、私が好きなのは・・・」


加崎が好きなのは?


そこで加崎が言いよどんだから


一瞬

変な空気



「はいはい、女でしたね。

あっ!留理がお風呂から上がるころかも」


私は、その場の空気を換えるように

話題を変えて


「やだ~、もしかして留理、素っ裸で行っちゃったとかぁ?」


床に散らばる留理の洋服に今さら気付き


それらを拾い集めて


私はパジャマのままで加崎の横をすり抜け


「和・・・ちょっと待って」


加崎が何か言おうとするのもお構いなしに


「あとでね。留理が裸で来て転んだりでもしたら大変!」


そう言いながら


ドアを開け部屋を一歩出た


出た

ところで―――――


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