無口な彼のカタルシス
遥か遠くに見える山の上が、暖色に染まっている。

空高く積み上げられたグラデーションは、一体どこまで続いているのだろう。



オレンジ色に包まれた河川敷を、

わたしは堤防の上から眺めていた。





今日の相手は、グレーの学ランを着ている。あれは多分、久留崎(くるざき)工業の制服。この辺りでは有名な、不良校だ。



高校生か……。



ふう、と一つ。小さく息を吐いた。


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