無口な彼のカタルシス
苦しそうに細められたその目に、わたしの心は映っていますか?



(あなたこそ、違う)



謝らなくていいのに。

謝ってなんか欲しくない。



畳をぐっと押して身を起こし、そして目の前で大きな身体を小さく丸めて縮こまっている『彼』を――


迷わずこの胸に抱き締めた。





『彼』は――


たくさんの叫びを、その胸に抱えている。






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