見上げた空、願いを込めて



「あっちぃぃぃぃ!」



少し汗をかき、下敷きでパタパタと自分を扇いでいる裕斗



見ているこちらまで暑苦しくなってくる



「どうして恭夜は汗1つかいてねぇんだよっ」


下敷きを持っていない方の手で机を軽く叩き、半分以上が暑さの八つ当たりだろう怒りでそう叫ぶ裕斗



「黙れ」



ただでさえ暑いのにあまり暑苦しい行動は控えてほしい



ミンミンとうるさい蝉の声



季節は春から夏へと変化していた



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