君へ届け




2人とも、抱き合いながら震えていた。

俺は安堵で、絵瑠は嗚咽で。




「…先に帰って、ごめんな」



絵瑠が首を振る気配がする。


声に出さず泣き続ける絵瑠の背中をさすって続けて言った。






「俺がずっと傍にいてやるから。───…守ってやるから」







今から考えると、小4のガキがキザなことを言ったもんだ。






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