君へ届け

「あいつ寂しがり屋だからさ、たまには相手してやってよ。

…恥ずかしいんだろうけど」



え?



「や…別に俺は、恥ずかしいなんて思ってねぇけど」


「へ?」



健兄が間抜けな声を出す。



「お前、絵瑠と一緒にいると周りにからかわれるから

ずっと避けてたんじゃねぇのかよ?」


「何で俺が周りの奴らに左右されなきゃいけないんだよ、バカらしい」



呆れて返す。


確かに小学生の時、俺たちを見てからかうガキも少なくなかった。



だから何だよ、勝手に言わせとけ。



「そんなことより健ニイ、ずっと聞きたかったことがあんだけど」




< 26 / 71 >

この作品をシェア

pagetop