うさぎとらいおん


「きゃっ…!」


体を押されて、後ろに倒れそうになる。

痛みを想像してギュッと目をつぶった。



でも、部屋に入ってきたその人は背中に腕を回して体を支えてくれて、私が床に倒れることはなかった。






「…大丈夫か?」





そして、聞こえてきた声に戸惑う。



「…凛也、くん………。」





半無理矢理部屋に入ってこられたのに。

その人が凛也くんだって分かった瞬間、さっきまで感じていた恐怖がまるで嘘だったかのように、私の心はとても安心していた。











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