世界が逆転した日
どれだけ未練があったって、
女になった俺はあの場所に立つ資格なんてないんだから。


もう二度と、あの場所に立つことは、

できない。



「...あっちゃん?」

「大丈夫、だから...。」


明宏は下を向いてうつむいてしまった俺の手を握って、
頭をなでてくれた。


明宏。

明宏のこのあったかい手に、俺はいつも助けられるんだよ。





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