いとしさの中で

グラスの主

目の前に突然現れたグラス。。。


そこにはグラスを差し出す一人の男がいた。


"コレ、おごっちゃる!"



相当飲んだんだろう。

だいぶテンションが上がった、陽気な男だった。



"い、いらないよぉ。。。"


変な酔っぱらいに絡まれ、対処法を模索する私。



"あ! 怪しんでるな~?!"


相変わらず高いテンションで絡んでくる。。。




"う、うん。。。確実に。。。"



"そうか~。 こいつが怪しいか~"
と、差し出したグラスを引っ込める。



いや、怪しいのはオマエだ。。。

心の中で呟く私。




"んじゃあ新しいの買ってやる!"


そう言うと、私の横に並び、私の飲み物を注文。


出てきたグラスを手渡しつつ言った。




"今夜は。。。ボディーガードだっ!"






!!!!!





笑。


"まじで?!。。。なんだそれ?!"



ツボに入ってしまった 笑。




ベロベロに酔っぱらいながら、放ったギャグのくだらないセンス。


あまりにも唐突すぎて、ツッコミすら入れられなかった。




警戒心の溶けた瞬間だった。





"オマエ、オモシロイ!!!
ちょっと友達に会わせたいから来てっ!!"





新しく発見した新種の生物を紹介するかのごとく、私は彼を友人が座っている席まで連れていった。

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