教壇と愛の狭間で~誰も知らない物語~
第五楽章 迷いと選択
次の瞬間、あたしは一目散に逃げ出していた。


あんなの見たくない。


あたしの恋は5日で終わりだったのだろうか。


絶対に終わらない、終わらせないと思っていたのに。


もしかしたら、あたしは先生の気持ちを手にして浮かれていたのかもしれない。


調子に乗っていたからこんなことになってしまったのかもしれない。


でもあたしは先生が好きだった。


いや、今だって好き。


たとえ負けたとしても先生は…。


先生だけは失いたくないんだ。


あたしは先生に依存している。


誰も想像が出来ないほど。


心も体も先生なしではもはや生きられるかわからないのだ。


でも、もしも先生があたしをもう必要としていないなら。


それがわかった時は…。


あたしは歩道橋を見上げる。


あの上から…。


そうしてしばらく立ちつくしていた。


あたしが動かなくても時間だけは止まらない。


時間が過ぎていく。


しばらくして、あたしは歩を進めた。


ここで立っていても、なんの意味も成さないって思ったから。


だけど心はポッカリだ。


どこかが虚ろな感じだった。


心に空いてしまったこの穴を、誰かに埋めてもらいたい。


これ以上、悲しさとむなしさを覚える前に。
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